フラグラントファウル
フラグラントファウル(Flagrant Foul)とは、NBAが定める「不必要かつ過剰な力を使ったファウル」のことで、通常のファウルよりも厳しいペナルティが科される悪質な反則行為です。「フレグラントファウル」と表記されることもあります。日本語では「危険なファウル」「悪質ファウル」と訳されることがあります。
フラグラント1とフラグラント2の違い
フラグラントファウルには重さに応じて2種類があります。
- フラグラントファウル1(Flagrant Foul Penalty 1 / FF1):不必要な接触はあるものの、悪意が明確でない場合。相手チームに2本のフリースローと攻撃権(ボールポゼッション)が与えられます。
- フラグラントファウル2(Flagrant Foul Penalty 2 / FF2):不必要かつ明らかに過剰な接触で、故意性が高いと判断された場合。ファウルをした選手は即退場となり、相手チームには2本のフリースローと攻撃権が与えられます。
1試合にフラグラントファウルの累積ポイントが一定基準を超えた場合も退場処分の対象になります。
審判はどのように判定するのか
試合中の審判がリアルタイムでフラグラントファウルを宣告する場合と、ビデオレビュー(リプレイ検証)を経て判定が変わる場合があります。NBAでは試合後にリーグオフィスが映像を精査し、試合中の判定をアップグレード(FF1→FF2)やダウングレード、または取り消すことがあります。
主な判定基準は以下の通りです。
- 相手の頭部・顔面・首を直接狙った接触
- ボールとは無関係な部位への激しい衝撃
- 相手が無防備な状態での過剰な接触
- 明らかに怪我をさせる意図があると判断される行為
ペナルティと累積ルール
フラグラントファウルはポイント制で管理されています。FF1は1ポイント、FF2は2ポイントが加算されます。シーズンを通じて合計ポイントが一定のしきい値(5ポイント以上など)を超えると、NBAリーグオフィスから出場停止処分が科されます。プレーオフでは基準がより厳しくなり、累積ポイントがリセットされます。
歴史的な事例
フラグラントファウルが歴史的に話題になった試合として有名なのが、2004年のインディアナ・ペイサーズ対デトロイト・ピストンズの試合中に起きた「マローデ・ブロール(Malice at the Palace)」です。ファウルをきっかけに場外乱闘に発展し、複数の選手がシーズン中に大規模な出場停止処分を受けました。この事件以降、NBAはフラグラントファウルのルール整備と審判のビデオレビュー権限を強化しています。
現代のNBAでもプレーオフの激しい試合でフラグラントファウルが話題になることは多く、特にシリーズの流れを変えるような判定が出た場合は翌日のスポーツニュースのトップ話題になります。
テクニカルファウルとの違い
フラグラントファウルと混同されやすいのが「テクニカルファウル」です。テクニカルファウルは審判や相手選手への抗議行動・スポーツマンシップに反する言動に対して科される反則であり、身体的な接触によるものではありません。フラグラントファウルはあくまで「身体的な危険を伴う接触」に特化したルールです。