ネットレーティング
ネットレーティング(Net Rating / NRtg)とは、チームや選手がコートにいる100ポゼッション(攻撃機会)あたりで相手を何点上回ったか(または下回ったか)を示す総合的な強さの指標です。「オフェンスレーティング − ディフェンスレーティング」という計算式で求め、プラスが大きいほど強いチーム(またはラインナップ)であることを意味します。
計算式と読み方
ネットレーティングは以下の2つの指標から算出されます。
- オフェンスレーティング(ORtg):100ポゼッションあたりの得点。値が高いほど攻撃効率が良い
- ディフェンスレーティング(DRtg):相手チームの100ポゼッションあたりの得点。値が低いほど守備が固い
「ネットレーティング = ORtg − DRtg」。たとえばORtgが118でDRtgが110ならネットレーティングは+8です。
なぜ「100ポゼッション」を基準にするのかというと、試合のペース(1試合あたりの攻撃回数)がチームによって異なるためです。ハイペースなチームと低速なチームを同じ土俵で比較するためにポゼッション当たりに換算しています。
ネットレーティングの目安
NBAでは一般的に以下の水準が参考になります。
歴史的な数字で言うと、2015-16シーズンのゴールデンステート・ウォリアーズはネットレーティング+11.6を記録し、当時のNBA史上最高水準と言われました。73勝9敗という歴代最多勝利記録を打ち立てたそのシーズンの圧倒的な強さがデータにも表れています。
チームだけでなくラインナップ・個人にも使われる
ネットレーティングはチーム単位だけでなく、特定の5人の組み合わせ(ラインナップ)や個人に対しても計算されます。「この5人が一緒にコートに立っているときのネットレーティングは+15」のように使われ、コーチが最適なローテーションを見極める際の重要な参考データになります。
また個人の「オン/オフ」という概念もあります。「ある選手がコートにいるときとベンチにいるときでチームのネットレーティングがどう変わるか」を見ることで、スタッツには表れにくい選手の貢献度を測れます。スタッツが派手ではなくてもネットレーティングに大きく貢献している選手は「隠れた名選手」として評価されることがあります。
ネットレーティングの限界と注意点
ネットレーティングは強さを測る強力な指標ですが、サンプル数(試合数)が少ないと信頼性が下がります。シーズン序盤(10試合程度)の数字は大きくぶれることがあり、シーズン中盤以降に安定してくる傾向があります。また「強い相手と弱い相手が混在するレギュラーシーズン」の数字なので、プレーオフの短期決戦と単純に比較することはできません。さらに特定のラインナップのネットレーティングは出場時間が短い場合に極端な数値になりやすいため、一定の出場時間(100ポゼッション以上など)を確保したデータで評価することが推奨されます。