ゴールテンディング
ゴールテンディング(Goaltending)とは、リングに向かって落下中のシュートや、リング上にあるボールに触れることを禁じるルールです。守備側が違反するとシュートは成功扱いになり、そのまま相手に得点が入ります。「入るかどうか」が決まる瞬間のボールには、誰も手を出してはいけないというのが基本的な考え方です。
ゴールテンディングが成立する条件
守備側のゴールテンディングは、ボールが弧の頂点を過ぎて落下中で、かつリングに届く可能性があるときに触れると成立します。上昇中のボールをはたくのは合法的なブロックショットです。また、ボールがリング上の仮想の円筒(シリンダー)内にある間に触れることや、リングやネットを揺らしてシュートを妨げる行為も反則になります。攻撃側が同じ行為をした場合は「オフェンス側のゴールテンディング」となり、得点は認められず相手ボールで再開されます。
NBAとFIBA(国際ルール)の違い
大きな違いがひとつあります。FIBAルールではボールがリングに当たった後なら誰が触れてもよいのに対し、NBAではリング上にあるボールへの接触が引き続き制限されます。国際大会とNBAを両方見るファンには「あれ、今のは反則では?」と混乱しやすいポイントで、リバウンド争いでのタップの可否が変わってきます。
判定の難しさ
ボールが落下に転じた瞬間を肉眼で見極めるのは難しく、ゴールテンディングは誤審が起きやすい判定のひとつです。NBAでは試合終盤の重要な場面などでリプレー検証やコーチズチャレンジの対象となっており、1本の判定がそのまま勝敗を分けることもあります。
実際の試合で起きやすい場面
ゴールテンディングがよく起きるのは、速攻での追いかけっこの場面です。レイアップを後ろから追ってブロックしようとした選手が、わずかに遅れてボードに当たった後のボールをはたいてしまう、というパターンが典型です。またブザービーター(終了間際のシュート)の場面では、リングに向かうボールに触れたかどうかが勝敗を直接決めるため、リプレー検証で数分間試合が止まることもあります。ブロックの名手ほどゴールテンディングとの境界線上でプレーしており、「ギリギリで合法か、一瞬遅れて反則か」の見極めはNBA観戦の醍醐味のひとつです。
ルールが生まれた背景
ゴールテンディングの規定は、1940年代に大型選手がゴール上のボールを片っ端からはたき落とすようになったことをきっかけに導入されたとされています。身長2メートルを超える選手がリング上で待ち構えていたら、どんなシュートも成立しなくなってしまいます。つまりこのルールは「シュートという行為そのものを守るための規定」であり、大型化するプレーヤーと競技の面白さのバランスを取ってきた歴史そのものでもあります。